2019年8月30日
CISTEC
本日、CISTECでは、韓国の産業通商資源部(MOTIE)がパブリックコメントを募集した標記措置に関して、関係6団体の賛同を得て、下記の意見書を提出した。
【日本語原文】
「韓国の「戦略物資輸出入告示」改正案に関する意見」
<提出団体>
一般財団法人 安全保障貿易情報センター(CISTEC)
<賛同団体>
日本機械輸出組合(JMC)
一般社団法人 日本化学品輸出入協会(JCEIA)
一般社団法人 日本化学工業協会(JCIA)
一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)
一般社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)
一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)
■経緯
韓国の産業通商資源部では、8月12日に、韓国の輸出管理上の優遇国(「カ地域」。以下「ホワイト国」という)から日本を除外するための「戦略物資輸出入告示」の一部改正(案)を発表し、同14日に行政予告を行い、パブリックコメントを募集開始した。
【発表資料】(仮訳)
・韓国の「戦略物資輸出入告示 」 改正案についての発表資料 (和訳)(8/12付)
・韓国産業通商資源部「戦略物資輸出入告示」の一部改正(案)についてのパブコメ募集要領(8/14付)
改正の理由が次のように記載されるとともに、地域区分の変更とこれに伴う個別許可、包括許可の適用関係の改正等が規定されている。
「国際輸出管理体制の基本原則に反して制度を運営しているか、不適切な運用の事例が継続的に発生するなど、国際協調が難しい国に対して戦略物資の輸出地域区分を変更して、輸出管理を強化しようとするものである。」
■意見書の概要
下記の通り、日本側の措置に関連する輸出管理の制度運用について、大きな誤解があり、それが解かれないまま増幅し緊張がエスカレートしていくとすれば、本当に日韓間及び国際的ビジネスを阻害する可能性が現実のものになりかねず深く憂慮されるとの認識に立ち、以下の点を記載している。
意見書の要約
<問題意識>
<1.混乱の背景となっている大きな誤解>
大きな誤解として以下のものがある。
【主な誤解】
主な誤解 |
説明 |
3品目はスペック問わず許可対象 |
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出荷ごと、船積みごとの許可 |
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許可まで90日以上かかる |
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ホワイト国から外れると、包括許可が使えず、全て個別許可になってしまう |
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キャッチオール規制で、裁量で許可対象製品を一律に拡大指定するだろう |
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【小括】
<2.韓国におけるホワイト国からの日本除外について>
<3.誤解の増幅による緊張のエスカレーションは回避の必要性>
・日本と韓国とで、類似した制度であるように見えても、実はその意味合い、効果等が大きく異なっていることも要因としてあると思われる。
・「ホワイト国」の意味とその優遇内容、除外された場合の効果も異なるし、包括許可の種類、内容も大きく異なっている。
○お互いの制度についての理解不足が重なり、マスコミ報道とも相俟って誤解が増幅され、それが混乱と緊張につながるとすれば、あまりにも不毛であり、不幸。
○韓国政府の冷静な対応を切に要望。