企業間の該非確認

企業間における該非判定の依頼と回答について

1.該非判定書の入手にあたっての依頼側の注意点

購入品の該非判定を行う場合、メーカー等からその結果を直接聴取したり、該非判定書等を入手したりした上で、自らその諸元を確認し該非判定を行います。そのためにメーカー等に該非判定書の作成/発行を依頼する場合、次のことに留意する必要があります。

  1. (ア)依頼時、入手目的を明確にすること
    リスト改正時の取扱貨物等の該非データベースの更新や社内工場設備等の調査など、輸出通関以外の目的で該非判定書の作成/発行を依頼する場合には、その目的等を文書等(文例参照)にてメーカー等に説明し、理解を得た上で依頼して下さい。なお、メーカー等から輸出管理に必要な情報(主に最終需要者、商流、仕向地、用途等キャッチオール関連情報)の提供要請があれば、可能な範囲で連絡する様にして下さい。

    (イ)依頼は時間の余裕をもって行うこと
    出荷や通関直前に依頼するのではなく、例えば、引合仕様書や注文書に記載して予め依頼しておくなど、出荷直前に慌てることがないように事前に対応を講じておくことをお勧めします。

    (ウ)該非判定結果のみならず、判定根拠や諸元にて自ら法令等と照らし合わせて確認すること
    項目別対比表やパラメータシートの添付を形式的に必須にしたりすることは控えるようにしましょう。
    また、個々の組込貨物全ての該非判定結果を要求したり、それらに対する項目別対比表やパラメータシートの発行を要求したりするケースが見受けられます。該非判定書を作成/発行するメーカー等の業務負担を考慮した対応が必要です。

    (エ)入手した該非判定書が最新の法令等に対応しているか確認すること
    輸出予定時期を考慮した依頼を行うこと。政省令等改正前に入手したものについて、改正において規制内容に変化がないものについては、メーカー等に最新の法令等においても該非判定結果に変更がないかを確認(メールや電話等)する程度でいいでしょう。(但し、その確認結果及び確認相手等を記録しておくこと。)

    (オ)明らかな非該当品についてはメーカー等に依頼せず、自ら該非判定を行うこと
    CISTECでは、汎用の電子デバイスについて、明らかな非該当品又は対象外品を判断するための該非判定早見ツールを公開しています。 この活用により、明らかな非該当又は対象外ではないと判断された品目について、メーカー等へ該非判定書の発行依頼を実施下さい。

     (カ)ホームページで該非判定結果を公表している場合
    汎用品を扱うメーカー等が自社のホームページで該非判定結果を公表している場合は、該非判定書の作成/発行依頼をし、それを入手したとしても判定結果は同じです。押印した書類(原本)ではないという理由による作成/発行依頼はひかえましょう。

    (キ)対象外とは非該当の判定根拠であることを理解しておくこと
    入手した該非判定書に、判定結果「非該当」の理由として輸出令別表第1または外為令別表の1の項から15の項に品目もしくは機能を規制する項目がないという主旨のことが記されている場合があります。これは所謂「対象外」ということを意味しています。
    該当しないことは明らかです。判定結果を非該当から対象外に訂正を強いるようなことはひかえましょう。


2.該非判定書の作成/発行にあたっての回答側の注意点

輸出通関申告のために税関や輸出者等取引先から、納入/提供等する輸出貨物等の該非判定結果を求められた場合、税関や取引先にその結果を連絡/回答することになります。ここでは、その連絡方法として一般的に用いられている該非判定書を作成/発行する場合の注意点を挙げておきます。

「該非判定書」の記述内容に関する留意点

  1. (ア)判定対象貨物等が特定できる名称、型式等を明記すること
    該非判定書はパッキングリスト(場合によっては、Supply Listや出荷明細等)に記載される輸出貨物等の該非判定結果を証するものです。よって、判定対象貨物等はパッキングリスト等の記載に基づいて作成するのが基本です。取引先との契約上の貨物等名称と自社内商品等の呼称が異なる場合には、併記等することにより、輸出貨物等との同一性を明確にしておくことが必要です。
  2. (イ)判定の根拠とした法令等を明記すること
    政令及び項番
    省令番号(条・項・号・記号)
  3.   当然のことながら、根拠法令は最新版であることが前提です。政省令等改正後において貨物等の該非判定結果が変更となる等の場合、いつの時点の法令等かも記載しておくことが重要です。(通常は、発行日をもってその時点の最新法令等と解釈する。) また、特に、輸出貨物等がリスト規制に該当するものである場合、輸出者等が効率的に許可申請できることを考慮した内容としておく必要があります。
  4. (ウ)判定結果(該当する、該当しない)及び判定根拠を明記すること
    判定根拠については、貨物等省令に定める機能や特性と対比できる情報(輸出者等が自ら該非判定又は確認が可能な情報)を記載します。(必ずしも項目別対比表やパラメータシートを用いる必要はありません。)
  5. (エ)(ウ)の結果、貨物等がリスト規制(1項~15項)に該当せず、16の項に該当する場合、(キャッチオール規制の確認対象貨物等であることを知らしめるため)その旨を明記する。
  6. (オ)本体貨物に組み込まれたり、混合されたりしている貨物(部分品や附属品等、以下組込貨物という)自体がリスト規制に該当していることがありますが、運用通達に定める所謂「10%ルール」等が適用できない場合は、組込貨物の許可申請が必要となるため、その旨を明記することが重要です。尚、許可申請が不要な場合は、特段の記載は必要ありません。

該非判定書の書式について

  1. (カ)該非判定書の宛先(発行先)を明記すること
    間接輸出における宛先は、輸出者等取引先からの特段の要求がない限り、原則として「取引先」とする。
  2. (キ)該非判定書を作成又は発行した年月日を明記すること
    政省令等改正前後に該非判定書を発行する場合で、改正後に該非判定結果が変更となる場合には、いつの時点の法令等を適用した結果であるかを記載することが重要です。

該非判定書の発行管理

  1. (ク)自主管理の対象書類の一部として保管すること