2019/08現在
中国の企業に次のような貨物を輸出する契約を結んでいます。リスト規制に該当する貨物の輸出なので、輸出許可証が必要ですか。
※輸出令別表第3の3(告示貨物)ではない。 |
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A.4-1 |
輸出令第4条第1項第四号の『少額特例』の適用可否をご検討ください。『少額特例』が適用できる場合には、リスト規制に該当する貨物であっても、この特例を適用し輸出許可を取得せずに輸出することができます。 少額特例を表にまとめると次の通りです。
※ 告示貨物とは輸出令別表第3の3に掲げる貨物であって告示で定めるもののこと 1つの契約において、複数の該当項番がある場合、輸出令別表第1の該当項番の括弧毎に計算した総価額により、それぞれ、少額特例の適用可否を判定します。今回のケースでは、『集積回路』の総価格は90万円、『光ファイバー』の総価格は300万円となります。両貨物とも輸出令別表第3の3(告示貨物)に該当しませんので、仕向地が中国ということであれば100万円以下まで少額特例の対象となります。 |
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USドル建てで契約しています。少額特例の適用可否を判断するにあたり、換算レートは何を見たらよいでしょうか。 |
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A.4-2 |
輸出貿易管理令及び輸入貿易管理令等に規定する円表示金額を算定する場合の換算の方法についてによって、財務大臣が日本銀行において公示する基準外国為替相場及び裁定外国為替相場を用いて換算することになります。この公示は「財務大臣が日本銀行本店において公示する基準外国為替相場及び裁定外国為替相場について」という形で毎月更新されます。 また、換算率は、輸出する日(輸出申告をする日)ではなく、 ※参照:「輸出貿易管理令の運用について」(以下、「運用通達」という。)1-1(6)総価額への換算
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基礎科学分野の研究活動であれば、経済産業省の許可は不要と聞きました。大学の研究であれば、基礎科学分野の研究活動であると考えて問題ないですか。 |
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A.4-3 |
貿易外省令第9条第2項第十号の規定により「基礎科学分野の研究活動において技術を提供する取引」は許可が不要です。「基礎科学分野の研究活動」については、役務通達1.(3)クで次のように説明されています。【引用:自然科学の分野における現象に関する原理の究明を主目的とした研究活動であって、理論的又は実験的方法により行うものであり、特定の製品の設計又は製造を目的としないものをいう。】 |
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貨物の輸出にあわせ、据付方法を示した資料を提供します。貨物はリスト規制に該当するので許可申請しますが、資料についても許可申請が必要ですか。 |
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A.4-4 |
まずは提供する資料の該非判定をしてください。資料がリスト規制に該当するのであれば、原則、役務取引許可が必要です。ただし、貨物の輸出に付随して提供する、その貨物の必要最小限の使用の技術であれば、役務取引許可が不要になる場合もあります。(根拠:貿易外省令第9条第2項第十二号)
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Q.4-4に関する相談です。許可を得て輸出した貨物の使用の技術を提供しようと考えているのですが、私は輸出者ではありません。この場合、貿易外省令第9条第2項第十二号の特例は適用できませんか。 |
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A.4-5 |
貨物の輸出者でなくても特例の適用ができる場合があります。
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『展示会』で技術資料を配布します。役務取引許可は必要でしょうか。 |
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A.4-6 |
展示会で不特定多数の者が入手可能な技術資料であれば、たとえ外為令別表で規制される技術であっても、役務取引許可を取得する必要はありません。 |
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リスト規制に該当する貨物を輸出するにあたり、これを使用するための専用プログラムをCD-ROM(オブジェクトコードのみ)の形態で貨物に同梱し、提供します。貨物に内蔵されていないので、プログラムがリスト規制に該当する場合には、貿易外省令第9条第2項第十四号ハの特例が適用できず、プログラムの許可が必要という理解で正しいでしょうか。 |
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A.4-7 |
平成24年8月1日の改正により、必ずしもプログラムが貨物に内蔵されていなくても、貨物と同時に提供される、すなわち貨物と同一の契約で提供されるのであれば、特例が適用できる場合があるようになりました。適用に関しては、もう少し詳細を確認する必要があるので、CISTEC Journal No.140 (7月号)の特集記事「特集/安全保障輸出管理規制の合理化の進展」をお読みになり、特例の適用可否をご検討ください。 |
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キャッチオール規制とは何ですか。 |
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A.5-1 |
リスト規制に該当しないほぼ全ての貨物の輸出や技術提供に対して、その用途と需要者の内容に応じて規制する(許可申請が必要となる)もので、大量破壊兵器キャッチオール規制と通常兵器キャッチオール規制があります。また、経済産業大臣から許可を申請すべきであると通知(インフォーム)を受けた場合も許可申請が必要となります。 ※グループA向けは規制対象外とされています。 用途要件のポイント:大量破壊兵器や通常兵器の開発等に使用されるおそれがあるか。
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なぜ仕向地が「グループA」(=輸出令別表第3に掲げる国)であれば、キャッチオール規制の対象外なのでしょうか。 |
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A.5-2 |
グループAであれば、日本と同様に、輸出管理レジーム(参考:A.1-6)全てに参加し、大量破壊兵器キャッチオール制度を導入しているため、これらの国から大量破壊兵器の拡散が行われることはないと考えられているからです。 グループAを経由し、非グループAを最終仕向地とする場合には、キャッチオール規制の対象となりますのでご留意ください。
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キャッチオール規制にある「経済産業大臣からの通知」(以下「インフォーム」という。)について教えてください。 |
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A.5-3 |
輸出貨物(又は提供する技術)が大量破壊兵器(核・化学兵器・生物兵器・ミサイル)や通常兵器の『開発等』に用いられる(又は利用される)おそれがあるものとして、経済産業大臣が輸出者(又は提供者)に対して個別の輸出許可(又は役務取引許可)申請をすべき旨を文書により通知することをいいます。 |
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輸出する際、外国の顧客から用途などを聞かなければならないと思いますが、全く教えてもらえない場合はどうすればいいのでしょうか。 |
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A.5-4 |
特に用途に関し、通常では得られるような内容であるのに、全く回答を渋る顧客は注意が必要だと言えます。ただし、回答を渋る顧客が、必ずしもテロを支援するような怪しい企業というわけではありません。輸入者及び需要者のホームページを確認したり、経済産業省の「外国ユーザーリスト」を確認したりして、取引の可否も含め慎重にご判断ください。
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リスト規制に非該当の貨物ばかり扱っています。それでも外為法第55条の10で規定されている『輸出者等遵守基準』への対応が必要でしょうか。 |
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A.6-1 |
はい、繰り返し輸出したり技術提供したりするのであれば、『輸出者等遵守基準』への対応が必要となります。 『輸出者等遵守基準を定める省令』によれば、2段構えになっており、①全ての輸出者等が守るべきもの、②リスト規制品の輸出者等が守るべきものとなっています。また従来から存在している『輸出管理内部規程』(CP)との違いは、必要最小限の事項を定めたものが『輸出者等遵守基準』で『輸出管理内部規程』は同じものを更に一定以上の水準で達成することを要求されています。 |
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輸出者等遵守基準を定める省令より、経済産業大臣が輸出を業として行う者に対して守るべき事項を定めていますので、これに沿って輸出管理内部規程を定めましたが、必ず経済産業省に届け出なければならないのでしょうか。 |
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A.6-2 |
必ず経済産業省に届け出なければならないものではありませんが、包括許可の取得を検討しているのであれば届け出をしていることが前提となります。正確には、輸出者等遵守基準に沿ったものを届け出るのではなく、輸出者等遵守基準より厳しい外為法等遵守事項の内容を満たしている輸出管理内部規程の届出が包括許可取得の前提となります。
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米国のメーカーから通信制御用のIC(集積回路)を購入し、日本の大手電機メーカーに納入したところ、「製品のECCNは何ですか。」と聞かれました。ECCNとは何でしょうか。 |
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A.7-1 |
ECCNとは、米国輸出管理規則(EAR)の規制品目リスト(CCL)にある品目分類番号で、Export Control Classification Numberの略のことです。国際法の大原則として属地主義というものがありますが、米国は自国の安全保障の確保という観点から、米国政府の管轄権が及ばない他国の外国人に対してもこれを守るよう要求しています。米国原産品、米国原産品を組込んだ製品、米国の技術を用いてできた品目を扱う場合には、EARについても注意する必要があります。 米国製品のECCNの確認方法としては、仕入先に確認したり、メーカーに確認したりする方法があると考えます。その他、米国商務省 産業・安全保障局(BIS)へ相談し、ECCNを確定するよう要請するのも1つの方法だと考えます。 EARは、無償でインターネットから閲覧することができます。ECCNの内容は、Part 774 The Commerce Control Listより確認することが可能です。
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Q&A7-1についてですが、純日本製であっても国内取引先にECCNを伝えなければならないのでしょうか。 |
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A.7-2 |
EARで規制されるものは、EAR §734.3 ITEMS SUBJECT TO THE EARで規定されています。製造技術も部品等も一切米国が関与していないのであれば、EARで規制されません。その旨、取引先にお伝えください。 |
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米国のメーカーにECCNを聞いたところ、5D992であることが分かりました。5D992の数字とアルファベットの意味は何ですか。 |
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A.7-3 |
EAR Part738.2でECCNの構造について説明されています。それによればECCNは数字(digits)とアルファベット(Letter)の組合せにより構成され、それぞれの数字やアルファベットには次のような意味があります。
《Second digit》
《Third digit》
《Last digit》
以上のことから『5D992』をまとめると次のようになります。
規制内容の詳細については§774 The Commerce Control List Category 5 (Part 2)により確認することになります。
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物質等の使用の技術に関して、以下のような場合にどのように考えれば良いでしょうか。
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A.8-1 |
これらのケースを見ると、どれも規制される物質を、非規制の民生品に使用し分離ができない状態になるもののように考えられます。 なお、例えば、ヒドラジンが特定のロケット燃料の取り扱い方法として特になんらかの要求事項があるような場合には、ヒドラジンの使用技術として規制対象となりうることがあります。これらは公知の技術かどうか等の観点から確認してください。 (上記の内容は、経済産業省ホームページQ&A 2.素材 Q23 より引用) 上記Qで挙げた事例以外に以下の場合についても、非規制の民生品に使用し分離ができない状態になるものとして、その技術が後者である非規制の民生品の設計・製造側からの要求であれば、規制物質の使用の技術とは通常はならないと判断できると考えられます。
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