日本安全保障貿易学会第36回研究大会は、62名の参加者を得て2023年9月17日(日)に慶應義塾大学にて4年ぶりの対面で開催された。会場ではそこかしこで挨拶が交わされ、やっと正常な姿に戻ってこられたことが実感された。午前の自由論題セッションは応募が無かったため、午後のテーマセッションのみで開催された。
■テーマセッションは2セッションを設け討論を行った。
●第1セッションでは「対露経済制裁の評価(軍事、経済・産業、政治)」を取り上げた。
●第2セッションでは「中国の経済安全保障をめぐる問題」を取り上げた。
■ 閉会挨拶(鈴木会長)
今回は4年ぶりの対面の会議に多くの皆様にご参加いただき感謝する。また会場をご提供いただいた慶應義塾大学、そしてその労を取っていただいた青木先生に深く感謝する。久しぶりの対面の会議にもかかわらずスムーズに会議を進行いただいたCISTEC事務局に御礼申し上げる。4年の間に安全保障貿易管理の考え方も大きく変わってきた。本日のテーマであったロシア、中国については、経済が及ぼす様々な影響とそれが安全保障にかかわる部分を多様な側面から議論していく必要があることを再確認した。学会では今後、中国、ロシアに関わらず、経済と安全保障にかかわるところで、新しい状況に対応できるような柔軟な発想とヒントになるような企画を進めていきたいと考えている。次回以降もよろしくお願いしたい。
2023年10月
日本安全保障貿易学会 会長 鈴木 一人
日時: 2023年9月17日(日)
13:00~14:50 第1セッション
15:00~16:50 第2セッション
会場: 慶應義塾大学(東京/港区)
三田キャンパス 北館3F大会議室
東京都港区三田2-15-45
● 第1セッション <対露経済制裁の評価(軍事、経済・産業、政治)>13:00~14:50
(1)西村 金一氏(軍事・情報戦略研究所)
「ロシア軍兵器とその戦闘への影響」
(2)渡邊 光太郎氏(ロシアNIS貿易会)
「制裁のロシア産業への影響」
(3)土田 陽介氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
「ロシア経済・金融への影響」
司会討論者: 鈴木 一人氏(東京大学(学会会長))
●第2セッション <中国の経済安全保障をめぐる問題> 15:00~16:50
(1)土屋 貴裕氏(京都先端科学大学)
「中国の情報保護をめぐる法整備と国際規範の模索」
(2)鹿 はせる氏(長嶋・大野・常松法律事務所)
「標準必須特許(SEP)に関する知財及び独禁法の諸論点」
(3)飯田 将史氏(防衛研究所)
「中国が推進する認知戦の姿」
司会討論者: 田中 極子氏(東洋英和女学院大学)
■テーマセッション
●第1セッション <対露経済制裁の評価(軍事、経済・産業、政治)>
西村 金一氏「ロシア軍兵器とその戦闘への影響」
渡邊 光太郎氏「制裁のロシア産業への影響」
土田 陽介氏「ロシア経済・金融への影響」
司会討論者:鈴木 一人氏
●第2セッション <中国の経済安全保障をめぐる問題>
土屋 貴裕氏「中国の情報保護をめぐる法整備と国際規範の模索」
鹿 はせる氏「標準必須特許(SEP)に関する知財及び独禁法の諸論点」
飯田 将史氏「中国が推進する認知戦の姿」
質疑応答
司会討論者:田中 極子氏