第12回日本安全保障貿易学会研究大会は、約60名の参加者を得て2011年9月24日(土)に京都大学で開催された。今回、午前の部自由論題セッションでは「武器輸出三原則の緩和と輸出管理」と「BP(平和関連ビジネス)と企業の役割」の2件の発表があった。前者は本邦の武器輸出三原則の歴史及び今後の展開を展望し、後者はNPOの立場で武器拡散を防止する取り組みの紹介であり、いずれのテーマも大変興味のあるところであった。
午後の部のテーマセッションの第1セッションでは、本邦における輸出管理の最大の興味の一つである北朝鮮制裁に関する諸問題に関し、国連における対応、我が国のこれまでの制裁方針、北朝鮮の外交についての報告があり、活発な議論が交わされた。第2セッションでは、昨年来話題となっている米国の輸出管理改革の概要、輸出管理を米国の法体系の観点から解析した報告、企業の立場から見た米国輸出管理の改革に関する報告があり、これらに関し活発な討議が行われた。
午前及び午後のセッションを通じて、輸出管理の現状や課題について産、学、官の夫々の立場からフロアより多くの質問・意見が出され白熱した議論が展開された。いずれのテーマも、輸出管理のホットな動向を扱っており有益な研究大会であった。
2011年9月
日本安全保障貿易学会 会長 浅田 正彦
浅田会長 あいさつ
日時:2011 年9月24 日(土) 10:30~17:30
10:30~12:00 第12回研究大会 自由論題セッション
12:00~13:30 昼食休憩
(12:45~13:25 2011度総会:学会員のみ)
13:30~15:15 第12回研究大会 第1セッション
15:15~15:45 休憩
15:45~17:30 第12回研究大会 第2セッション
会場:京都大学 法学部 法経済学部本館 法経11番教室
京都市左京区吉田本町
報告者:久保田 ゆかり氏 (大阪大学)
「武器輸出三原則の緩和と輸出管理」
報告者:鬼丸 昌也氏(NPO テラ・ルネッサンス)
BP(平和関連ビジネス)と企業の役割」
討論者兼司会:佐藤 丙午氏(拓殖大学)
報告者:浅田 正彦氏(京都大学)
「国連による北朝鮮制裁について」
報告者:広実 郁郎氏(経済産業省)
「日本政府による北朝鮮制裁について」
報告者:道下 徳成氏(政策研究大学院大学)
「北朝鮮の瀬戸際外交と今後の展望」 資料1 資料2
討論者兼司会:阪田 恭代氏(神田外語大学)
休憩 15:15~15:45
報告者:佐藤 丙午氏(拓殖大学)
「米国の輸出管理改革の現状」 本文
報告者:待鳥 聡史氏(京都大学)
「分割政府下におけるアメリカ輸出管理立法」
報告者:新留 二郎氏((株)東芝)
「企業の観点から見た米国の輸出規制改革」
討論者兼司会:青木 節子氏(慶應義塾大学)
会場風景
午前の部 自由論題セッション
「武器輸出三原則の緩和と輸出管理」久保田 ゆかり氏
「BP(平和関連ビジネス)と企業の役割」鬼丸 昌也氏
左端 討論者兼司会:佐藤 丙午氏
第1セッション「北朝鮮制裁について」 発表
「国連による北朝鮮制裁について」浅田 正彦氏
第1セッション「北朝鮮制裁について」 発表
「日本政府による北朝鮮制裁について」広実 郁郎氏
第1セッション「北朝鮮制裁について」 発表
「北朝鮮の瀬戸際外交と今後の展望」道下 徳成氏
左端 討論者兼司会:阪田 恭代氏
第2セッション 「米国の輸出管理制度改革」発表
「米国の輸出管理改革の現状」佐藤 丙午氏
第2セッション 「米国の輸出管理制度改革」発表
「分割政府下におけるアメリカ輸出管理立法」待鳥 聡史氏
第2セッション 「米国の輸出管理制度改革」発表
「企業の観点から見た米国の輸出規制改革」新留 二郎氏
左端 討論者兼司会:青木 節子氏