第11回日本安全保障貿易学会研究大会は83名の参加者を得て2010年9月25日(土)に拓殖大学にて開催された。今回、午前の部自由論題セッションでは「海上貨物コンテナの非開封保安検査機器について」と「製造設備・真空コンポーネントメーカーとしての用途・需要者確認強化の取り組み」の2件の発表があった。前者は第10回大会で報告されたPSIに関するテーマの実践編とも言うべき内容であり、後者は企業における厳密な用途確認の対応で、いずれのテーマも大変興味のあるところであった。
午後の部の第1セッションでは産業界で話題となっている再移転をめぐる諸問題に関し域外適用に焦点を当てた法制度上の問題点、及び企業の側から見た対応などの報告があり、規制の是非などについても活発な議論が交わされた。第2セッションでは国連安保理の経済制裁と輸出管理の問題に関し、北朝鮮に対する安保理の地域的代替である6者会談の経緯、更には安保理制裁の内容及びその限界に関して考察があった。また、イランに対する安保理制裁の経緯・内容更には米国を中心とした制裁の詳細な解説があった。また、金融の立場から見たビジネスへの影響などについて詳細な考察があり、これ等に関し活発な討議が行われた。
午前及び午後のセッションを通じて、輸出管理の現状や課題について産、学、官の夫々の立場からフロアより多くの質問・意見が出され白熱した議論が展開された。いずれのテーマも、輸出管理のホットな動向を扱っており有益な議論が交わされた。
2010年9月
日本安全保障貿易学会 副会長 青木節子
会場風景
日時:2010年9月25日(土)
10:30~11:45 第11回研究大会 自由論題セッション
11:45~13:15 昼食休憩
(12:45~13:10 2010年度総会:学会員のみ)
13:15~15:00 第11回研究大会 第1セッション
15:00~15:30 休憩
15:30~17:15 第11回研究大会 第2セッション
会場:拓殖大学 文京キャンパス C401教室
〒112-8585 東京都文京区小日向3-4-14
TEL:03-3947-9295
報告者:市村 欣也氏 (三井造船(株))
「海上貨物コンテナの非開封保安検査機器について
(-100%スキャニングに向けた米国における機器開発の取組み-)」
討論者:橋本 弘二氏(日本機械輸出組合)
報告者:鈴木 章敏氏((株)アルバック)
「製造設備・真空コンポーネントメーカーとしての用途・需要者確認強化の取り組み」
討論者:宗行 伸太郎氏(日本機械輸出組合)
司 会:宗行 伸太郎氏(日本機械輸出組合)
報告者:中谷 和弘氏(東京大学)
「国際法の観点から見た輸出管理法の域外適用」
報告者:森岡 正樹氏((株)森精機製作所)
「工作機械における再移転をめぐる諸問題と移設検知装置」
報告者:高野 順一氏(三井物産エレクトロニクス(株))
「企業における管理実態と問題点の考察」 資料1 資料2
討論者:青木 節子氏(慶応義塾大学)、利光 尚氏 (三菱商事(株))
司会 :利光 尚氏(三菱商事(株))
休憩 15:00~15:30
報告者:倉田 秀也氏(防衛大学校)
「国連の経済制裁と北朝鮮(-安保理による強制措置の限界)」
報告者:田中 浩一郎氏(日本エネルギー経済研究所)
「イランと国連等の制裁レジーム」
報告者:尾崎 寛氏((株)三井住友銀行)
「イランに対する金融制裁によるイラン・ビジネスへの影響」
討論者兼司会:佐藤 丙午氏(拓殖大学)
午前の部 自由論題セッション
「海上貨物コンテナの非開封保安検査機器について」市村 欣也氏
「製造設備・真空コンポーネントメーカーとしての用途・需要者確認強化の取り組み」
鈴木 章敏氏
第1セッション「再移転をめぐる諸問題」 発表
「国際法の観点から見た輸出管理法の域外適用」中谷 和弘氏
第1セッション「再移転をめぐる諸問題」 発表
「工作機械における再移転をめぐる諸問題と移設検知装置」森岡 正樹氏
第1セッション「再移転をめぐる諸問題」 発表
「企業における管理実態と問題点の考察」高野 順一氏
第2セッション 「国連安保理の経済制裁と輸出管理」発表
「国連の経済制裁と北朝鮮(-安保理による強制措置の限界)」倉田 秀也氏
第2セッション 「国連安保理の経済制裁と輸出管理」発表
「イランと国連等の制裁レジーム」田中 浩一郎氏
第2セッション 「国連安保理の経済制裁と輸出管理」発表
「イランに対する金融制裁によるイラン・ビジネスへの影響」尾崎 寛氏
青木会長代行 挨拶