日本安全保障貿易学会トップ

日本安全保障貿易学会

行事の案内

日本安全保障貿易学会第１０回研究大会終了

　第１０回日本安全保障貿易学会研究大会は約６０名の参加者を得て２０１０年３月７日（日）に同志社大学にて開催された。今回、午前の部自由論題セッションでは「海上貨物の安全確保に向けた米国の取り組みについて」、と「大学における輸出管理：同志社大学工学部の現状を踏まえた提案」の２件の発表があった。後者の発表では輸出管理に関する大学関係者の現状認識と本音が紹介され課題が提示された。いずれの発表も午後の部のテーマセッションにも関連する内容であり議論の幅を広げることができた。午後の部第１セッションでは、このところ関心が高まっている大学における輸出管理を含めた「研究機関における輸出管理」を２つの研究機関のそれぞれ現場の管理状況が、また第２セッションでは国際法および国際政治の観点から、不拡散が失敗した場合の措置として過去数年有志国が実施する「ＰＳＩをめぐる諸問題」について発表が行われた。
　午前及び午後のセッションを通じて、輸出管理の現状や課題について産、学、官の立場からフロアから多くの質問・意見が出され白熱した議論が展開された。いずれのテーマも、輸出管理の新たな動向を扱っており有益な議論が交わされた。

2010年3月

日本安全保障貿易学会副会長青木節子

会場風景

第１０回研究大会プログラム

日時：２０１０年３月７日（日）
　　　１０：００～１２：００　第１０回研究大会　自由論題セッション
　　　１２：００～１３：１５　昼食休憩
　　　（１３：００～１３：１５　臨時総会：学会員のみ）
　　　１３：１５～１５：００　第１０回研究大会　第１セッション
　　　１５：００～１５：３０　休憩
　　　１５：３０～１７：１５　第１０回研究大会　第２セッション
会場：同志社大学　室町キャンパス　寒梅館　２１１号室
　　　〒602-8580　京都市上京区今出川通り烏丸東入
　　　TEL：075-251-3120

第１０回研究大会
午前の部　自由論題セッション　　　　　　　　　　　１０：００～１２：００

報告者：森山隆氏（公明新聞）
　　　　　「海上貨物の安全確保に向けた米国の取り組みについて」
　　　　　（The Feasibility of 100 Percent Cargo Scanning in Question）
討論者：平井進氏（東北大学大学院）

報告者：佐伯崇氏（同志社大学）
　　　　　「大学における輸出管理：同志社大学工学部の現状を踏まえた提案」
　　　　　（Export Control in University:Proposal Based on the Circumstances of the Doshisha University）
討論者：新留二郎氏（㈱東芝）
司会　：新留二郎氏（㈱東芝）

午後の部　第１セッション：「研究機関における輸出管理」　　　　１３：１５～１５：００

報告者：跡部正明氏（(独)宇宙航空研究開発機構）
　　　　　「JAXAにおける技術情報の輸出管理」
　　　　　（Transfer Controls of Technical Data in JAXA）
報告者：松ヶ浦史郞氏（(独)海洋研究開発機構）
　　　　　「海洋研究開発機構における輸出管理」
　　　　　（Experiences of JAMSTEC for Export Controls）
討論者：中島一郎氏（早稲田大学）
司会　：村山裕三氏（同志社ビジネススクール）

休憩　１５：００～１５：３０

第２セッション：「ＰＳＩをめぐる諸問題」　　　　　１５：３０～１７：１５

報告者：森川幸一氏（専修大学）
　　　　　「PSI―大量破壊兵器の海上拡散阻止と公海自由の原則との相克―」
　　　　　(Proliferation Security Initiative: Conflict between the Naval
　　　　　Interdiction of WMD and the Freedom of Navigation on the High Seas)
報告者：佐藤丙午氏（拓殖大学）
　　　　　「オバマ政権の不拡散政策とPSI：2010QDRに見るその位置づけについて」
　　　　　（Nonproliferation Policy of the Obama Administration and PSI:
　　　　　　Strategic and Tactical Ground of PSI appear in the QDR2010）
討論者：山本武彦氏（早稲田大学）
司会　：青木節子氏（慶応義塾大学）